アラスカ遠征BCスキーツアー!!(スキー滑走編⑤)

2本のスキー板は、僕たちに自由を与えてくれる翼だ!
しかし、人がスキー板を足に履いたからと言って、簡単に
自由が手に入るワケでは無い。そこには、日常努力から
始まり、スキー場での何千何万回ものターンを繰り返して
時間を犠牲にした末に辿り着ける、一瞬の自由の存在が
確かにあるのだ。

そして、山の中での孤独に耐え、恐怖を乗り越え、悲鳴を
上げる足の筋肉と腹の中のエナジーを燃やして流れる汗
を振り絞り、辿り着いた崖のような山頂のさらにその先に
僕たちの一瞬の自由が存在するのだ!!


今回は、僕が9年前にこのヴァルディーズに来てスキーを
した時、初めて見た時から僕の心を鷲掴みにされる程魅了
されてしまった山「パイソン峰」の登頂&スキー滑走だ!!
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「パイソン編」!!

この、美しく空へと突き上る、特徴的な双耳峰、「パイソン峰」。
9年前から僕は、もう一度ここへ滑りに来る事が出来たなら、
その時は、この「パイソン峰」の山頂へ登り、山頂からスキー
滑降してやろう!と思っていた。 そして、9年の歳月の中で
日々の一歩のその先にアラスカの斜面があると思いながら、
仕事をこなし、山を登ってきた。

そして今回、このヴァルディーズでのスティ-プ&ディープな
足慣らしも大体終わり、満を持してこの「パイソン峰」へと挑戦
してみたのであった!!・・・。

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キャンパーをスタートしてから約2時間・・・。うねる氷河の上を、
一歩ずつ夢へ向かって進んでいく。 これまでの僕の9年間が
ここ、この瞬間へと続いていた気がする。 全ての経験がこの
アラスカの山へと繋がっていたのを実感していた。

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そして氷河を横断し、パイソン峰に取り付く。双耳峰の真ん中の
約45°程の超急斜面を一気にシールでジグを切って登って行く。

ここには、最近の電子テクノロジーもスマートフォンも何も無い・・・。
頼れるのは、お互いに絶大な信頼を寄せるパートナーと、自分の
技術と経験と勘だけだ。危険な冬山の中に居ながらこの極上に
シンプルな感覚が、ギリギリな行動の中で心地イイ。

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NJさんの激ラッセルが稜線まで伸びていく。 コルまでもうあと
少しだ・・・。 これで僕達は山頂まで登れるのか?! そして
この超急斜面をピーク・トゥ・ボトムで滑る事は出来るのか?!
自問自答を繰り返しながら、自分たちの限界を見極めながら、
キックターンを延々と繰り返して標高を稼いでいった。

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コルへと出るところには、大きな雪庇があったので、ピッケルと
スキー板を使って通れるように切り出し、何とか越えていった。

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稜線は狭い50°以上の尾根になっていたので、ここでシールを
諦めて、登攀装備をアイゼンとピッケルに交換。風も抜けていく
のでジャケットを着込んで、山頂へと一歩ずつ詰めて行った・・・。

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アイゼン&ピッケルになると、すこぶるアルパインな感じで気合が
入る。 山頂が目の前まで近づいてきていて、ここまで来てやっと、
憧れていた「パイソン峰」に登れるような気がしてきたのだった・・・。
後はゆっくりとでも、アイゼンを蹴り込んでピッケルを差し込むのを
繰り返していくだけだ・・・。

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バックには、パイソンの向こう側の岩峰が、そして僕達の登ってきた
足跡が遥か下方から続いているのが見えていた。

完璧なほど紺碧の青い空の彼方から、何かが感じられる?
傷ついた世界の上で僕達が貪っているのが自由なのか?
放っておいたら腐ってしまうこの身体を奮い立たせないのか?
壊れすぎた世界と縛られた社会で責任逃れて生きるだけか?
それでも僕達の自由はこの山頂にあると感じられるのか??

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コルから1時間以上もアイゼンとピッケルを繰り返して、やっと
山頂の稜線に出て、もうあと数歩のところまで来た!・・・。この
ナイフリッジを越えて向こう側に出れば、僕が9年間想ってきた
夢が現実となるのだ。

そして、
山の中では全てが生きるためへとシンプルになれる。
全てのチカラを山頂へと向かう事に注ぎ込むだけになる。
それが出来ることが、僕達の自由なのだと実感できる。
それが、とてつもなくシンプルで幸せだ。

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そして!、
山頂に立つ! 


なぜかとても静かで、風の音以外何も無く、歓喜の熱渦が
心の中に爆発的に湧き上がってきて、身体中を駆け抜けて
いったのだった!! 夢が半分叶った瞬間だ!!

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そして、山頂に立つ瞬間を撮影してくれたNJさんも、登頂だ!!
その喜びを爆発させるように叫びながら、ピークを取れたことを
互いに喜び合った。

バックには、ワーシントン・グレイシャーが、まるで僕達の登攀を
嘲笑うかのように大きく見えていた。 この日もまた素晴らしい
山岳景色なのであった!

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パイソン峰の向こう側の景色も、また切り立った山と氷河の平坦
というコントラストの素晴らしい景色だった!! 本当にカナダと
ヨーロッパを濃縮してここに置いたというような感じであった!!


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そして、ここから、僕達のもう一つの自由である「スキー滑降」への
ドロップインが始まる!! ボトムはNJさんのテレマークブーツの
つま先の下に見えるぐらいの超急斜面だ!! 滑降の用意をして
スキーブーツのバックルと止めたりしている時から、胸のドキドキが
止まらない。 が、誰かの言葉を借りると、「行くしかない!!」

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そして僕の夢への、そして一瞬の自由への
ドロップインだ!!
(真ん中のラインからドロップインして滑り始めた僕が分かります?)

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一度だけこの斜面全体で15cmぐらい表層雪崩が起きてしまった
のでトラバースを入れたが、その後は約55°以上のパックされた
パウダーだった!! ボトムで強くターンをするとターンイン側の
手が斜面に引っかかってしまう程の超急斜面だった!!全神経
を集中させるアドレナリン全開のライディングだった!!

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それでもコルの高度に近くなってくると、ここからはターンを繋げて
スピードが上がり、どんどん下へと落ちて行くように滑って行く事が
できたのであった~!!

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そして、ドロップインしてから殆ど止まることなく、ターンを繋げて
ボトムまで一気に滑って行くことが出来たのであった!!まさに
アラスカでの、僕の一番のドリーム・ランとなったのであった!!

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このパイソンでのスキー滑降をして、ボトムアウト出来た瞬間!、
とてつもないシビれる程の達成感と安堵感が、全身を駆け抜けて
行ったのだった。

この瞬間、僕の夢がまたひとつ叶った瞬間だった!!!
そして、僕の夢は、この手の中に入った瞬間に、もの凄い
スピードで一気に過去へと飛び去って行ったのだった・・・。
夢は途方も無く儚いものなのだ・・・。

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そして、その後は約30°程のメロウな最高のパウダーバーンで
開放されたようにパウダーの浮遊感を楽しみながら思いっきり
滑っていったのであった。 突き抜ける程青空のスカイライン
に舞い上がるNJさんのスプレーが、僕たちの自由を表現して
くれているような気がしていた・・・・。 
              
                
「人の生きる本当の価値は、おカネや肩書きなどではなく、
夢を追い求め一瞬一瞬を精一杯生きることにある。」とは、
冒険家である某人の言葉。 ならば僕達も、自分の生きる
価値や意味を、この2本のスキー板を使って、自分たちの
人生の価値を白い山の斜面に精一杯表現して生きたいと
思うのであった・・・・。僕達スキーヤーの自由は、その中に
あるのだ。

アラスカ遠征ツアーは、もう少し続く!
                  
               
                    
                  
                      
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by springbk2 | 2016-04-10 07:21 | アウトドア | Comments(0)