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裏烏帽子マルチピッチクライミング!(その①)

僕が初めて買ったクライミング雑誌は、「Rock & Snow、048」という
2010年夏号だった。その雑誌には「小川山でクラックマスター」という
特集記事が掲載されていて、その記事では小川山のマルチピッチルート
がいくつも紹介されており、その中で一際僕の目をクギ付けにしたのは、
むささびルート」というマルチピッチルートの、ヘッドウォールである
いたちクラック」の写真だったのであった!!・・・。

まだ5.10台も登れない、一人ではクライミングに行く事さえも出来ない、
ロープも結べなかった僕は、その雑誌の「いたちクラック」の写真を見て、
いつか僕もこのラインを登ってみたい!、いつかこのヘッドウォールを
完登したい!!・・・、と強く思ったのだった・・・。

そして、僕のクライミングは13シーズンが過ぎ、一応5.11d~5.12aの
グレードまでは何とかレッドポイント出来るようになった・・・。しかし、
この「むささびルート」のマルチピッチには、未だに挑戦出来ていないまま
なのだった・・・。

裏烏帽子マルチピッチクライミング!(その①)_a0353718_11555431.jpg
が、しかし!!・・・・、
今回もまた!いきなり平日真っ只中に、僕のクライミングの師匠である
Njさんから1本の連絡が入り、マルチピッチクライミングに連れて行って
くれると言う!・・・。僕はこのチャンスに、「出来れば、「むささびルート」
に登ってみたい。どうでしょう?」と言うと、Njさんは「どこでもOKだ!」
という心強い返事だ! なので今回は、満を持して!僕の憧れのルートで
ある「むささびルート」に、挑戦しに行ってきたのであった~!!


裏烏帽子マルチピッチクライミング!(その①)_a0353718_11555987.jpg
もう陽が短くなった11月の平日・・・。まだ真っ暗闇な早朝の4時過ぎに
乗鞍高原を出発。→松本市内でNjさんと合流して、→小川山へと車を
走らせていった。この日も晴れの天気予報だったのだが、小川山へと
到着した7時頃は、まだ薄曇りで寒かった・・・。

小川山のベースである廻り目平キャンプ場から川を渡り、裏烏帽子岩
へとアプローチを1時間弱ほど歩いて行った・・・。そして、裏烏帽子の
岩場に到着しても、「ここがスタート」というような目印がクライミング
ルートには全くないので、取り付きがなかなか見つからなかった・・・。


裏烏帽子マルチピッチクライミング!(その①)_a0353718_11560675.jpg
それでも小川山ガイドブックのお陰で何とか取り付きが見つかって、
ようやく僕の憧れだった「むささびルート」のクライミングが始まった
のであった~!!

【1ピッチ目。5.10b】
最初は傾斜の緩いフェイス、中間から終了点までは右手=カンテ
左手=フィンガークラックを両手で挟み込んでのクライミングの
ルートである。ここを1ピッチ目なので僕がリードさせて頂いた!
途中のフィンガークラックには、昔むか~しの錆びたハーケンが
いくつもあったけど、墜落に耐えられるのかちょっと怖かったので
マイクロカムも突っ込みながらズリズリと耐えて、何とか終了点へ
登って行く事ができたのであった~!! 墜ちないで良かった~。


裏烏帽子マルチピッチクライミング!(その①)_a0353718_11561520.jpg
1ピッチ目をフォローで登ってきて頂いたNjさんだ! 上から見ると
こんな感じになる・・・。両手で挟み込んで耐えるルートと言うのがよく
わかると思う・・・。いきなりのこの高度感になるので、とても爽快な
クライミングが味わえるのだった。


裏烏帽子マルチピッチクライミング!(その①)_a0353718_11562217.jpg
【2ピッチ目、5.6】
2ピッチ目は交代でNjさんにリードして頂いた。5.6なんて簡単すぎる
ピッチをNjさんに登ってもらうのは何だか悪い気がするのだが、交代
ずつで登って行くのがマルチピッチなのである。左手の砂が詰まった
ルンゼ内を立ち木までのルートでサクサクっと完登。


裏烏帽子マルチピッチクライミング!(その①)_a0353718_11562620.jpg
【3ピッチ目、5.9】
3ピッチ目はまた僕がリードで登らせて頂いたのだが・・・、このピッチは
グレードは5.9だが、マルチピッチの5.9なのである!・・・。この広大な
スラブのピッチに、ボルトは1本だけしか無いのである!・・・。なので、
かなりランナウトしちゃうのである。絶対に墜落は出来ないスラブの
ピッチなので、メッチャ怖いのだ!!・・・。

僕は、左の立ち木にスリングを引っかけて一応みたいなプロテクション
を作り、1歩ずつスラブに立ち上がっていった・・・。真ん中にある1本の
ボルトにカラビナをかけてゆっくりと堕ちないように終了点までスラブ
を登っていき、何とか登り切っていったのであった~・・・。このピッチも
堕ちなくて、良かったぁ~・・・。スラブの終了で安堵感が広がる。


裏烏帽子マルチピッチクライミング!(その①)_a0353718_11563271.jpg
3ピッチ目をフォローしてくれるNjさんである。上から見ると凄まじい
高度感な場所にいるのが分かる。何も突起や岩の割れ目が無いスラブを
ボルト1本でこの場所を登るのが、いかに怖いか?分かるだろうか・・・。
しかし、Njさんはまたサクサクッと簡単そうに登ってきた。もう本当に
サスガなのであった~。


裏烏帽子マルチピッチクライミング!(その①)_a0353718_11563746.jpg
【4ピッチ目、5.9】
4ピッチ目は、短いピッチだが細いフィンガークラックが美しく伸びる
ルートである。この写真だけを見ると、何だかヨセミテみたいだ!!
Njさんはこの美しいフィンガークラックをレイバックのムーブで一気に
登っていって、スグに見えなくなってしまったのであった~。もちろん
5.9の簡単なグレードなのでオンサイトで完登。メチャカッコ良かった。


裏烏帽子マルチピッチクライミング!(その①)_a0353718_11564251.jpg
【5ピッチ目、5.10a、いたちクラック!】
いよいよ!僕の憧れだった、あの写真の「いたちクラック」だ!!・・・。
もちろん「いたちクラック」は、僕がリードさせて頂いたのであった~。
「いたちクラック」は、下から見るだけでも迫力満点! あの写真通り
美しいラインだと思った。


裏烏帽子マルチピッチクライミング!(その①)_a0353718_11564447.jpg
ハンドとフィストのジャミングで登っていくのだが、左のクラックは
僕のいる途中で切れて無くなる。なので右のクラックを登っていくの
だが、右側には足のフットホールドが無い。このバランスが難しい感じ
だった・・・。#C3や#C4のカムを突っ込みながら、僕はパワーの必要な
中間セクションをグイグイ登っていったのだが、途中でチカラが尽きて
きて諦めかけていた・・・。もうカムを握ってしまおうか?・・・と、何度も
思ったりしたのだが、その次の一手をクラックにねじ込むとジャミング
がバチ利きするので、それを繰り返して、何とか!何とか!終了点まで
堕ちないで終了点まで登って行く事が出来たのであった~! 夢だった、
憧れていた「いたちクラック」、堕ちないでオンサイト出来て、本当に
良かったぁ~・・・。

Njさんは、またいつも通りサクサクとフォローで登ってきた。いつも
僕のクライミングをフォローをしてくれて、絶大な信頼と感謝なので
ある。


裏烏帽子マルチピッチクライミング!(その①)_a0353718_11565257.jpg
【6ピッチ目、Ⅲ級】
クライミングは5ピッチ目の「いたちクラック」で終了なのだが、まだ
その先に岩場歩きで岩峰の頂に登頂出来るのである。もちろん僕達は
裏烏帽子の岩峰へと登頂するために6ピッチ目を歩いていった・・・。
それでも通常の登山道とは全く違う岩場、ロープをお互いに結んで
コンテで進んで行ったのであった~・・・。


裏烏帽子マルチピッチクライミング!(その①)_a0353718_11565433.jpg
そして!裏烏帽子登頂~!! 「むささびルート、いたちクラック」を
1度も堕ちないで全てオンサイトで完登する事が出来たのであった~!!
ヤリました~~!!
どこまでも上を目指して登るマルチピッチクライミングは、爽快!の
一言である。「コレだよ!これ!!」と叫びたくなる気持ち良さなので
あった~。


早朝に出てきたので、「むささびルート」を完登した時点で、時間はまだ
午前中の10:30・・・。なので僕達は欲張って、裏烏帽子にあるもう1本の
マルチピッチルートを、もう1本登りに行ってしまったのであったぁ~!

その②へ続くっ!!・・・・




by springbk2 | 2024-11-18 07:01 | アウトドア | Comments(0)