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コブ尾根→ジャンダルムBCスキー!!(敗退編)

コブ尾根をクライミングで登攀して→ジャンダルム登頂→スキー滑走!
という今回の僕達のバックカントリースキーは、敗退となってしまった。

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青すぎる空に見えにくいのだが、2つの白い峰の間にある真っ黒な岩峰
が、今回の僕達のターゲットである「ジャンダルム」だ!・・・。

目の前に、もう手が届きそうなぐらい近くにジャンダルムが見えていた。
それでも僕達は、この雪の状態の中でこれ以上のリスクを負って、この
斜面を登攀して→スキー滑走に突っ込んで行く事は出来なかったのだった・・・。


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右側には、奥穂高岳の山頂から広がる扇沢も、もう手が届きそうなぐらい
に目の前に広がっていた!!魅惑の絶景だった! しかし僕達はここから
スキーで滑って帰って行くのである。悔しさは無いわけではない。敗退を
決めた後でも葛藤はあった・・・。しかし、僕達は無事に帰って行かなければ
ならないのだ!と心に決めたのだった。

歓喜のドロップ・インとはならなかったのだが、スキー滑走中でも雪崩の危険
もあるし、転倒→滑落の危険性もある。スキーからシールを剥がし、ブーツ
のバックルを締め、ゴーグルをセットしながら、僕達はもう一度「生きて帰る」
と心に刻みながら、青い空とジャンダルム、奥穂高岳と扇沢を目に焼き付けて
いったのであった~。またココへと還ってきてリベンジしたいと思った・・・。


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今回は僕から、ドロップ・インだ!! 出だしの1ピッチは約45°以上、
50°ぐらいはあったと思う超急斜面に出て、グイッと深くターンを刻む。
雪崩とまではいかないが、大きなスラフが流れていき、まるで雪崩の
ようにボトムへと流れていった!・・・。この滑走ラインは北斜面なので
表面の雪が柔らかくて、でも中は固いバーンだったので、ターンをする
たびに雪が大きく流れていくのであった・・・。


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スラフコントロールが難しい状況だったので、僕は2~3ターンごとに
スラフを回避しながら滑っていった。それでもだんだんとこの状況に
慣れていった。やはり僕はスキーヤーなのである。スキー板を履くと
雪の上では自在になれる気がして、ターンを刻むたびにやっと自分に
なれていく感覚が僕の身体の中を満たしていったのであった~。


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もちろん僕のスグ後にNJさんもドロップ・インだ!! 最初の難しい
約50°程のシュートをジャンプターンで確実に刻んで滑ってきた!!
この安定感がNJさんなのである!! そして写真もメチャカッコイイ
のであった~!!


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そして僕達は、ジャンダルム直下の細い沢を抜けていき、広大な扇沢へ
出た。僕はその広大な扇沢の下部で、この敗退の悔しさを吐き出すかの
ように、前穂高岳をバックに大きなターンを決めて行ったのであった~。


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NJさんも、僕を追いかけるように、広大な扇沢で自由自在にターンを
決めて滑ってきた。何だかスプレーが上がっている?!・・・。とにかく、
コケたら→即滑落という難しい斜面でも安定の滑りが出来るNJさんは
本当に素晴らしいと、改めて思うのであった・・・。


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そして、ボトルネックに突っ込んで行く・・・。この先はゴルジュ状の
非常に狭い沢になっているのだ。地形は前回奥穂高岳山頂から滑った
事があるので、頭の中に入っている・・・。しかし今回は雪質が全く違う
柔かい状態で、昼の陽射しで暖まった雪の斜面から雪崩が出てこない
かどうか不安だった・・・。なので、なるべく早くこのボトルネックを
攻略して一気に抜けていったのだった・・・。


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ボトルネックの一番狭いセクションを一気に抜けてNJさんも滑ってきた!
何だかスプレーが上がっているように見える素晴らしいターンだった!!

しかし、この一番狭いセクションを抜けた後は、もう完全にデブリーランド
になってしまっていた。なのでこの後僕達は、ボコボコなデブリーランドを
ほぼ全部横滑りでザブザブと滑り降りていくしかなかったのであった~・・・。
僕達の使い果たしたようなフトモモさんに、さらに追い打ちをかけるような
苦しい仕打ちだった・・・。でもこれが、スティープライン・バックカントリー
スキーなのであった。


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最後の最後、岳沢へと出るセクションでは、もうデブリーランドは巨大な
山となっていてスキーでは滑走出来なくなってしまった・・・。なので最後は
スキーを脱いで→担いで、歩いて下りていったのであった~・・・。

今回のジャンダルム直下~扇沢のスキー滑走も、非常に厳しい滑走だった。
上部はザブザブの雪でスラフが流れまくりな難しい雪との格闘で、下部では
デブリーランドでマトモな滑走が出来ないまま横滑り・・・、僕達のフトモモ
さんは完全にお亡くなりとなってしまったのであった・・・。


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岳沢に出て、安全圏内に帰って来たトコロで、僕達はやっと大休止を
して、カロリー&水分補給をした。そしてトリコニーを見上げながら、
やっと無事に帰れそうだという安堵感が、僕達の心の中に広がっていた
のであった~・・・。

そして!その後の岳沢は、スキー場のゲレンデよりも滑り易いぐらい
オールフラットで、ザラメの柔らかい雪だった!!僕達はこの岳沢で
これまでのストレスを吐き出すかのように、スピードに乗せて大きな
ターンを決めて思いっきり滑っていったのであった~!! メっチャ
気持ち良かった!!

いつもなら、岳沢へ帰って来たらストップ雪になっていて、難しい
スキー滑走を耐えて帰らなければならなかったのだが、今回はこの
コブ尾根の登攀&ジャンダルム直下から扇沢スキー滑走の「ご褒美」
なのか?、こんな事ってあるのか?!と思うぐらいに、素晴らしい
シャウダーだったのであった~!! 


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岳沢を滑り切った僕達は、樹林帯をスキーのまま抜けていき、何とか
岳沢登山口へ帰り着くことが出来たのだった・・・。そしてまた、スキー
からブーツから、ストックやアイゼン&ダブルアックスなど、全ての
ギアをバックパックに付けて担ぎ、上高地へと歩いていった・・・。

最後の最後、もう帰るだけという、達成感もモチベーションも何も無い
僕達には、この全てのスキー&クライミングギアを取り付けたザックが
とっても重く感じられたのであった・・・。良くこんなに重いバックパック
を担いで来たなぁ・・・と思った。


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ラストは、河童橋の前で穂高連峰を見上げ、NJさんと僕は、あぁ、あそこ
まで行ったんだ、とか、もう少しだったのになぁ~とか、思っていた・・・。
そして、またいつかリベンジしよう!と思うのであった~。


今回は、今シーズン初のクライム&ライドなバックカントリースキーだった。
結果だけ見れば、敗退・・・。しかし、非常に厳しい中でもNJさんのいろいろな
技術を駆使して登って滑れて、非常に貴重で良い体験をさせて頂いたのだった。
そして、良い挑戦だったと思うのであった。この経験を、また次のクライム&
ライドなバックカントリースキーへと繋げて行きたいと思うのであった~・・・。
夢への挑戦は、いつまでも続くのである・・・。


こんなバックカントリースキーを追求する「カフェ・スプリングバンク」への
ご来店をお待ちしています~。スキーヤーの皆さん、乗鞍岳BCスキーに
来たら、ぜひ!お立ち寄りください~。よろしくお願いします~~!!



by springbk2 | 2025-04-09 07:01 | アウトドア | Comments(0)